本と対話と哲学と

テツドク!@東京のアーカイブ

2018年4月7日 アダム・スミス『道徳感情論』共感から正義は生まれるか

日時: 2018年4月7日 14時~16時

場所: 東京ウィメンズプラザ(渋谷)

講師: 島内 明文さん(東京大学

テーマ: 共感から正義は生まれるか

参加人数: 16名

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参加者のコメント(抜粋)

・面白かった

・スミスは読みやすいものと思ってましたが、解説を聞いて、その内容の深さがよくわかった。目からうろこだった。資料が圧巻。

・先生の話が面白かった。とても有意義な時間だった。

・レクチャーのスピードが速くて、ついていくのが大変だったが、後の議論で理解を深めることができた。

・後半、具体的事例に基づいて話をしたほうが良かった。

・スミスの考え方の土台が掘り下げられて楽しかった。具体例を話の中に入れてもらえたので、理解の助けになった。

・初参加なので内容についていくのがやっとだったが、先生の面白いお話を聞きながら充実した時間を過ごせた。もう一度勉強しなおしてから参加したい。

・テーマを再掲してこのテーマでディスカッションを聞いてみたい。大変刺激的で面白かった。現代のものも取り上げてほしい。

 

参加者からリクエストのあった哲学者・本・テーマ

アドラー

アリストテレス形而上学

アリストテレス「ニコマコス倫理学

 

★概要

20代、30代の若い参加者が多かった。若年層参加者の割合の過去10回平均は36%だが、今回は63%と突出していた。

 

過去10回のうちで最高比率は同じ島内さんが講師のアダム・スミス1回目で53%。

 

アダム・スミスの設定に今日的な要素があるのか、経済学⇔哲学への実践的な取り組みが若年層にアピールするのかは不明だが、他の哲学者にはない特色があるものと考えられる。

 

参加者が多く、経済力が弱い若者が多数にもかかわらず、参加費に対する割高感はそれほどなかった。(-1ポイント)

 

講義の展開が早く、ついていけないといった参加者も見られたが、次回は勉強してくるという意見もあり、全般的には講義への参加者の集中力は高かったように見える。

 

具体例を議論の俎上に載せるように、との提案が複数見られた。現代的なテーマを希望する意見もあったことから、総じて実践的な地に足の着いた内容への需要が大きいのではないか、との印象が強い。

 

ただ、実践的なテーマへの過度の傾斜はややもすれば、方法論的な「対策」へと堕してしまう恐れがある。

哲学本来の根源的・教養的知識・知恵への探求というテーマの在り方は排除するべきではない、と思う。