本と対話と哲学と

テツドク!@東京のアーカイブ

2018/1/8  鈴木大拙『禅』

日 時: 2018年1月8日 14時30分〜16時30分

場 所: 東京ウィメンズプラザ(渋谷)

講 師: 大熊 玄さん(立教大学

テーマ: 鈴木大拙の『禅』を読む

参加人数: 13名

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参加者のコメント(抜粋)

・興味深い話をありがとうございました。

・課題本が難しいと感じましたが、レクチャーを受けて少し理解できた。

・問いに対応する答えが答えであると受け入れられるのは本人次第。

・言葉は易しいが、内容は難しかった。

・なかなか難しい。

鈴木大拙の『禅』は西田哲学に似ている部分が多いと思った。

・講師の著書を持ってきてくれたら、さらに満足。

・いろいろな意見を聞けて良かった。

・問いと答えの関係がわかって良かったです。

・禅の概念が宗教的な禅宗の意味と違うことがわかった。

 

参加者からリクエストのあった哲学者・本・テーマ

・メイヤスー

ミシェル・セール

西田幾多郎

・カント(2名)

・政治哲学系のもの

 

★概要

鈴木大拙の『禅』のテキストを読解しつつ、簡単な禅語の由来やミヒャエル・エンデの著作の援用を通して、現代社会における禅の意味などを盛りだくさんに解説した前半1時間と実質的には質疑応答に終始した後半1時間の構成で進められた。

 

『禅』の内容自体に言語的説明を拒むようなところがあり(禅問答の例)、そもそも内容を論理的に把握することが難しいせいもあって、難度(難しい+やや難しい)は69.2%と直近5回平均48.5%を大きく上回る結果となった。

 

過去の例を見ると、ヘーゲルシリーズの難度が突出して高い。(4回平均で70.1%)

 

満足度(とても満足+満足)は高い(92.3%)ものの、「とても満足」の割合はさほどでもない。(23%)

(過去25回で満足度が90%を超えた回は10回あり、そのうち「とても満足」の割合は平均で38.2%だった。)

 

コメント欄の書き込み量の少なさと考え合わせると、禅に関する理解は進んだが、今一つ肌感覚として納得できるものはない、といったところかと思われる。

 

「禅とは何か」で大拙自身が言っている通り、「禅を説くに当たって、まず第一に宗教経験とは何か、この意味を定義しなければならない」のだとすれば、1時間や2時間の座学で理解(宗教経験)が突き刺さる、までもっていくには無理があるだろう。

 

テツドク3回目、4回目という常連参加者の傾向は継続しており、一定の地盤は固まりつつある。

今後、参加者の流動性低下などの問題が生じてくる可能性はなくはない。